2023/04/20
RAMPA矯正って何?と思う方は多いのではないのでしょうか。あまり聞き馴染みがない矯正治療だと思います。ここでは「RAMPA矯正」について紹介しますので、矯正治療の選択肢の1つとして参考にしてください。
RAMPA矯正とは、
・骨格的にアプローチして、顎の骨(中顔面)を正しい方向に成長を促す
・気道を確保し呼吸がしっかりできるようにする
この2つを目的とした矯正治療です。
中顔面(ちゅうがんめん)の発育不全や骨格のズレがあることで、舌の位置が悪くなり気道を圧迫してしまいます。これによりしっかり酸素を取り込むことができず集中力の低下や睡眠が浅くなるなどの症状が起こりやすくなります。
お子さんの健康的な成長に必要な正しい呼吸や睡眠の質の高めるためにも、根本的原因である中顔面の発育不全や骨格的なズレの改善が大切です。
RAMPA矯正は歯並びを整える矯正治療ではありませんが、中顔面の発育不全や骨格的なズレを改善することで、結果として歯並びや顔貌を良くできます。
小児矯正でも顎を拡げる治療はありますが、歯並びをきれいにする目的で治療を行います。小児矯正とRAMPA矯正では、治療目的(改善したいこと)が変わりますので、よく理解しておきましょう。
RAMPA矯正の適応年齢は4~8歳がベストとされています。健康的な成長の妨げになる原因を早く取り除くことで、お子さんの成長をサポートできます。また、成長時期に合わせて矯正治療を行うことで、スムーズに治療が進められます。
大人の方でもできますが、12~13歳くらいまでのお子さんに対して行うことが多い治療方法です。いくら早く治療を開始したいからといってもRAMPA矯正で使用する口腔外装置をしっかり使用できなければなりません。お子さんの協力や親御さんのサポートが必要ですので、しっかり話し合ってからRAMPA矯正治療を開始しましょう。
RAMPA矯正は、上顎骨のズレや歪みなど発育不全による受け口や、ガミースマイル(笑ったときに歯ぐきが目立つ咬み合わせ)の治療に有効的です。
また、RAMPA矯正をすることで歯並びはもちろん顔貌もきれいになります。横顔の改善は患者さんに分かりやすい変化になると思います。
中顔面の発育不全がある方は、上顎(お口の中のスペース)が小さくなります。そのため、舌が正しい位置に収まるスペースがありません。舌が低位に落ち込んでいることで、気道を圧迫し呼吸しにくい環境をつくることになります。
・口呼吸
・いびき
・姿勢
・集中できない(注意散漫)
・睡眠が浅い
などの症状も舌の位置や気道の圧迫が原因で起こる症状です。中顔面の上前方方向への成長を促し改善することで、これらの症状も改善できます。
あまり関係ないように思える症状もRAMPA矯正治療で改善できます。何が原因になっているかを知り治療を行うことで、お子さんのより良い成長に繋がります。
RAMPA矯正は、RAMPA矯正専用の口腔外装置と口腔内装置を使用して治療を行います。中顔面を上前方に引っ張るための口腔外の装置は、患者さんに合わせて装置を作製します。学校など外出時に使用せず、お家にいるときだけ使用してもらいます。口腔外装置を1日12時間以上2~3ヶ月の使用と、口腔内装置で顎の拡大を行います。口腔外に大きな装置を装着しますので、個人差はありますが装着時の違和感・不快感は出やすくなります。「寝にくい」「喋りにくい」と言われることがありますが、使用し続ければ装着したままの生活に慣れることがほとんどです。
治療期間は3~4年くらいが目安です。ただし顎骨の矯正治療ですので、お子さんの成長が終わる15~16歳くらいまで経過をみます。治療開始年齢やお子さんの成長具合によって矯正期間は変わりますので、参考までにお考えください。小児矯正と比べると治療期間は長くなりますが、アプローチしている部分や目的が違うためご理解いただきたいです。
RAMPA矯正では、口腔外にくる装置が大きめです。お子さんが1人で着脱できない・装置装着を嫌がるなどの問題が出てきます。また、矯正治療による痛みや違和感があります。矯正装置を使えなければ、治療がスムーズに進まず治療期間が長くなってしまいます。「慣れてくれば意外と大丈夫」「心配するほどではなかった」など患者さんによって感じ方はさまざまです。お子さんのやる気や協力を促し、寄り添い、親御さんにしっかりサポートしていただきたいと思います。
RAMPA矯正は、中顔面の発育不全や骨格のズレにアプローチして舌の位置や気道を確保し、「呼吸」を改善する治療方法です。歯並びを治す矯正治療ではありませんが、正しい成長発育を促すことで自然と歯並びや顔貌が良くなります。鼻炎やいびきなど矯正治療と関係なさそうな症状も、舌の位置や呼吸が原因になっていることがあります。RAMPA矯正でそのような症状が改善でき、お子さんの健康的な成長を促し守れます。
RAMPA矯正を含め、矯正治療にはさまざまな種類や方法があります。原因を知り、根本的な解決ができるように治療を選びましょう。
2023/04/01
『反対咬合(受け口)』の矯正治療は早めがお勧めです。なぜなら、前歯だけ反対であれば、生え変わりのときに正常な咬み合わせになる可能性がありますが、反対咬合(受け口)のままにしておくと上顎の成長抑制や口腔悪習癖などの原因に繋がるからです。
正常の咬み合わせは、咬み合わせたときに上の歯が前になり、下の歯が後ろにきます。反対咬合(受け口)とは、上下の咬み合わせが反対になっている歯並びのことを指します。咬み合わせが安定し確定するのは、乳歯列が完成する3歳前後です。その際、反対咬合(受け口)になっている場合は、早めに矯正治療の開始を検討しておきましょう。早めに改善しておくことで、より自然な成長を期待できたり、変な癖がつかないよう悪い方向への流れを止められます。
反対咬合(受け口)になるとどんな問題が出るかご存知でしょうか。「見た目の問題なら今矯正をしなくてもいいのでは?」と思う方はいらっしゃると思います。
しかし、反対咬合(受け口)の場合、下記の症状が出ることがあります。
・食事しにくい
・滑舌が悪い
舌を上手く動かせないために、食事のスピードが遅かったり丸呑みしていたり、硬いものを食べにくいから食べないなどの症状がみられます。
また、滑舌に影響するため、年齢が上がっても聞き取りにくい発音になりやすいです。周りの子が発音できている言葉を発音できない・しにくいなどの症状が出ると心配になってきますよね。症状によっては習慣や癖によることがありますが、歯並びや咬み合わせが関係することが多いです。その場合は、習慣や癖だけ改善するのではなく、原因を解決できるように矯正治療を行うと良いでしょう。
「家族が反対咬合だと子どもも反対咬合になる?」
「だんだん下顎がしゃくれてきた気がするけど、なんで?」
など、なぜ反対咬合(受け口)になるのか知らない方は多いと思います。反対咬合(受け口)になる原因として、下記の3つが挙げられます。
・両親からの遺伝
・舌や指しゃぶりなどの悪習癖
・下顎の発育過剰or上顎の発育不全
今、反対咬合(受け口)になっていなくても、3つのうちどれかの原因がありそうな方はよく経過観察をしましょう。
それでは、それぞれの原因について簡単に説明いたします。
「顔が似ている」「背格好が同じ」など親子で似てくる部分があると思います。歯並びや骨格も同様です。親が反対咬合(受け口)だから子どもも反対咬合(受け口)になるわけではないです。ですが、親が骨格的な反対咬合の場合は、子どもが反対咬合になる確率は高くなります。
また、祖父母や叔父や叔母まで3親等の中に反対咬合(受け口)の方が多いと、同じような咬み合わせになりやすいです。遺伝が原因になると、今すぐの治療が良いのか成長が止まってからが良いのか悩むところです。子どもが反対咬合(受け口)かなと思ったときは、遺伝的な原因がありそうか確認してみてください。
習慣的な癖で反対咬合(受け口)になる方もいます。歯は、口周りの筋肉や舌の力のバランスがとれたところに並びます。ですので、舌や指しゃぶりなどの癖が続くと、その癖が原因で歯は動きます。
何もしていないときの舌の位置は、上顎にくっついているのが正常です。低位舌は、舌が下の前歯辺りに下がっている状態です。その場合、常に下の歯が舌に押されるため、上の歯よりも下の歯が拡がって反対咬合(受け口)になりやすいです。
舌が前に出る癖を持っている方も低位舌と同じような力がかかります。舌突出癖は、食事や話をするときに舌を前に出す動きをします。この癖は、母乳や哺乳瓶で飲む飲み方で、赤ちゃんがよくする舌の動きです。指しゃぶりやおしゃぶり、哺乳瓶の使用が長い場合になりやすいです。舌の癖がある場合、歯並びにも影響が出ますが、滑舌や食べ方にも影響が出やすいです。滑舌が悪いお子さんや、食べるのが異常に早かったり遅いお子さんに多い舌癖です。
指しゃぶりによる舌癖が考えられますが、指の吸い方によっては下の歯に力がかかり、指で前歯を押すことで下の歯が前に出ることも考えられます。皆さんが思っている以上に普段の癖は歯並びに影響します。そのまま放っておくと悪化する原因になりますので気をつけましょう。早めに癖を取り除くことで歯並びが改善することがありますので、歯医者に相談されると良いです。
上顎と下顎の成長バランスが悪く、反対咬合になる場合があります。
・下顎の発育過剰→下顎が大きく成長した場合
・上顎の発育不全→上顎の成長がうまくいかなかった場合
どちらも上下の顎の成長のバランスが悪くなって起こります。上顎の成長は平均で10~12歳くらい、下顎は13~16歳くらいといわれています。上下で発達時期が違いますので、時期をみて判断しましょう。
反対咬合(受け口)を放置すると、下記のような症状が出ることがあります。
・食事しにくい
・滑舌が悪くなる
・顎が痛くなる
食事の仕方・飲み込み方や滑舌は習慣になっている部分が大きく、大人になってからの改善が難しい場合があります。
また、何となく普段の生活を送っていたとしても、徐々に何かしらの症状が出てくることが多いです。顎の痛みは、子供のうちに出てくることはあまりないでしょう。大人になってから負担が大きくなり、顎関節症になる場合があります。このような症状を改善するためにも矯正治療が必要です。
「反対咬合の矯正治療は早い方がいいと聞くけど、大人になってからだと遅いですか?」と聞かれることがあります。
反対咬合(受け口)でも、症例によっては「大人になってからやりましょうか」と言われることがありますが、基本は早い方が良いとされています。
・抜歯を避けられる
・悪習癖を改善できる
・骨格を改善できる
など、早く矯正治療をするからできることがあります。小さいうちから矯正治療を始めると、子どもの負担が心配になる親御さんはいらっしゃると思います。なぜ子どものうちに治療するのが良いのか順にお伝えします。理由を知ったうえで矯正治療の時期を考えてみましょう。
反対咬合(受け口)の方の治療で多いのは、下の前から4番目の歯を抜いて治療する方針になりやすいです。永久歯列になっている場合は、もう成長がほとんど終わっていますので、拡げて治療をするよりも抜いて出ている下の歯を引っ込めることで上下のバランスを整えます。
しかし、子どものうちから矯正治療を始めておくことで、以下の治療が行えます。
・顎を拡げる
・顎の成長を抑制する
結果として、抜かなくても矯正治療が行えます。抜歯矯正が悪いわけではなく、抜いた方がきれいになる治療計画になることもあります。だからといって、健康な歯を抜くことに抵抗がある方が多いと思います。子どもから矯正治療を始めることで矯正治療の方法が増え、選択肢の幅が広がります。
舌を含め、口周りの習慣を改善できる。舌の癖は特に歯並びに影響しやすいですし、歯並びの影響で舌の癖がつくことがあります。習慣や癖は、治したくてすぐ治せることではありません。今まで習慣や癖づいていたものを治さないといけないため、かなり根気がいりますし、大人になってからは改善が難しいです。まだ習慣や癖づいて日が浅い子どもの方が、改善しやすく治療が上手く進みやすくなります。
1番大きなメリットは骨格にアプローチできることです。顎の成長は15歳くらいまでに終わるといわれています。それまでに骨を拡げる矯正治療を行うことで骨格的なバランスを整えることができます。
反対咬合(受け口)の方は、見た目にコンプレックスを抱いている方が多いです。骨格的にアプローチすることで、顔の見た目が変わります。顎が出ていたり引っ込んでいることで、特に横顔の印象は変わるでしょう。
子どもの反対咬合(受け口)を治療する方法はいくつかあります。また、現状の歯並び・咬み合わせによって変わります。
お口の中に入れる装置は種類があります。
取り外せるマウスピースを使用し、お口周りの筋肉や唇・舌のバランスを整えます。
固定式のワイヤーを使って歯や顎を拡げます。
前歯の歯並び・咬み合わせの改善に使用します。
お口の中の装置にプラスして使用します。「こんなの使えるの?」「これで寝られるの?」と言われることは多いですが、慣れてしまえば意外と使用できます。お子さんにとって邪魔になったり面倒になることはありますが、親御さんのサポートがあることで順調に治療が進みます。
これらの装置を必要に応じて使い分けます。検査・診断しないと分からないところがありますので、参考程度に考えていただくといいと思います。
「転勤があるから、治療期間が気になる」
「進学したら通いにくくなる」
など、矯正治療期間が気になりご相談いただくことがあります。
だいたいの治療期間は2~3年で、そのあと生え変わりを待つ期間や保定期間があります。お子さんの歯並び・咬み合わせや骨格によって治療期間は変わるため、一概に「何年で終わります」と断言できません。少なくとも2年はしっかり通えないと矯正治療の結果が上手く出ないことが多いです。
お子さんのイベントや親御さんの転勤など、歯医者に通えなくなるリスクが分かっているときはお伝えいただけると助かります。矯正治療を終えられそうか、どのくらいまでならできそうかをお話しできます。
矯正費用は、自費治療になることがほとんどですので、歯医者によって金額が変わります。
小児矯正(1期治療)の費用は、200,000~400,000円くらいが相場です。歯医者によっては検査費・調整費や装置に応じて費用が追加でかかる場合がありますので確認しておきましょう。
・どこまでを小児矯正(1期治療)として行うのか
・追加の費用がかかるのか
・1期治療終了後し2期治療へ移行するときの費用
このあたりは歯医者によって変わります。事前に聞いておくことでトータル費用の見通しが立てやすいです。いくつかの歯医者を比べるときに比較ポイントになると思います。
矯正治療は、自費治療になることがほとんどですが、保険適用になる場合もあります。
・「顎変形症」と診断され、外科手術が必要な矯正治療
・口唇口蓋裂やダウン症など厚生労働大臣が定める疾患が原因の矯正治療
・永久歯の前歯や小臼歯が3歯以上生えず、埋伏歯開窓術が必要な矯正治療
この場合は矯正治療を保険適用で行えます。
保険適用の矯正治療は、どこの歯医者でもできるわけではありません。厚生労働大臣が定める施設基準に適合していると地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみです。
反対咬合(受け口)は「顎変形症」と診断され、外科手術が必要な矯正治療と診断されることがあります。この場合は、矯正治療の時期が大きく変わり、治療内容によっては小児矯正をしない場合があります。「子どものうちにしてあげたい」と思っている親御さんは多いと思います。ですが、適切な治療をし、お子さんの歯並び・咬み合わせがきちんと治る方法を選択しましょう。この保険適用の矯正治療については、実際に相談・診察してもらうときに聞いてみるといいかもしれません。
反対咬合(受け口)のお子さんの治療は早めにやること下記のメリットがあります。
・抜歯矯正を避けられる
・悪習癖の改善ができる
・骨格の改善ができる
早めに治療を開始することで、大人になってからの矯正治療では改善が難しい部分も治せます。お子さんの現状の歯並び・咬み合わせによって矯正治療の開始時期は変わります。お子さんの成長度合いによりますので、定期的に歯並び・咬み合わせを診てもらうと安心です。
反対咬合(受け口)は、下顎の成長が止まるまで咬み合わせが変わりやすいです。だからといって、成長が止まるまで何もできないわけではありません。少しでも咬み合わせが良くなるように矯正治療を早めすることをお勧めいたします。
2023/02/27
皆さん「急速拡大装置」をご存知でしょうか?
急速拡大装置は、上顎の横幅を拡げるために使用する固定式の矯正装置です。「急速」とついているように短期間で一気に拡げていくのが特徴です。
第1大臼歯(6歳臼歯)と第1小臼歯(前から4番目の歯)にバンドをつけ、真ん中にある拡大ネジを回して拡げる矯正装置です。急速拡大装置は、歯を動かす矯正装置ではなく、上顎の骨を拡げて上顎の横幅を拡げます。
上顎は、左右の上顎の骨がくっついて1つになっています。真ん中に正中口蓋縫合というつなぎ目の線があります。この上顎の繋ぎ目で拡げることで骨と骨を離し、上顎を拡げます。拡がった後は自然に新しく骨ができて上顎が繋がるのを待ちます。急速拡大装置は、上顎が狭い方や交叉咬合の方に使用する矯正装置です。患者さんの歯並び・咬み合わせに合わせて急速拡大装置を使用することで、とても良い矯正治療ができます。
上顎の正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう)がくっつく時期が10歳前後で、顎の成長が終わる時期が15歳前後だといわれています。ですので、10~15歳までに行うと成長時期に合わせて自然に上顎を拡げることができて理想的です。
しかし、大人の矯正治療でも使用する装置です。骨を拡げる矯正装置ですので、骨の状態や年齢によっては使用を避けることがあります。「この年齢まで」と矯正装置の対象年齢があるわけではないですが、30歳くらいを境に使用しない選択をすることが多いです。患者さんの歯並び・咬み合わせ、急速拡大装置のメリット・デメリットをお話しさせていただいたうえで治療を行います。
顎を拡げて矯正しますので、後戻りが起こることはほとんどありません。
急速拡大装置は、顎を拡げることでスペースをつくり、歯を並べます。上下の顎のアンバランスを改善するため、顎の歯を抜かなくても矯正治療を行うことができます。
上顎を拡げることで鼻腔も拡がるため、鼻呼吸しやすくなります。口呼吸から鼻呼吸への改善ができます。
骨を拡げますので、それなりに痛みが出ます。装置を装着してから3~4日は特に痛みや違和感が出やすくなります。また、装置の違和感が大きいため、発音しづらくなることもあります。慣れるまで多少我慢が必要でしょう。
上顎を広げるため、目の間隔や鼻周りの見た目が変化しますので、矯正治療する前によく話し合い確認しておきましょう。
急速拡大装置は「急速」とあるように短期間で顎を拡げます。期間は2~3週間くらいです。拡げた後にすぐ装置を外してしまうと後戻りを起こしますので、顎の骨がしっかりくっつくまでの間は装置をつけたままにします。急速拡大装置をつける期間は、6ヶ月~1年くらいだと考えておきましょう。
急速拡大装置の使用に注意がいくつかあります。
急速拡大装置は上顎に大きい装置がつきます。装置と上顎の間には隙間ができ、食べ物が詰まりやすいため口腔管理をしっかりしていかないといけません。ものが詰まることで歯肉炎になると痛みが出ることがあります。装置に合わせて歯磨きの仕方を歯医者で教えてもらい、実践しましょう。上顎を拡げることで上の前歯に隙間ができることがあります。しかし、失敗ではなく矯正治療の途中経過ですのでご安心ください。
急速拡大装置は、上顎を拡げていくための矯正装置です。
・後戻りしにくさ
・矯正期間の短さ
・歯を抜かない矯正治療ができる
・鼻腔が拡がり、鼻呼吸しやすくなる
などたくさんメリットがあります。
デメリットは、短期間で顎を拡げるため、装置の違和感や痛みが出やすいです。矯正期間中、柔らかい食事に替えたり痛み止めを飲んだりして過ごすようになるかもしれません。
また、顎を拡げるため顔貌に変化が出ます。顎を6mm以上拡げますので、顔が大きくなったように感じるかもしれません。顔が大きくなり不自然に見えないよう矯正治療を行いますが、矯正前の方が良かったとならないように矯正治療を進める必要があります。メリットやデメリットがあり、よく理解したうえで急速拡大装置での矯正治療をしましょう。
2023/01/30
お子さんの矯正治療には「1期治療」と「2期治療」の2段階あるのはご存知でしょうか?お子さんの歯並びや矯正を始める時期によって治療の仕方が変わります。
1期治療は、お子さんの骨の成長を利用する治療です。上下の顎のバランスを整えるように矯正を行い、咬み合わせを安定させます。歯がきれいに並ぶ土台をつくるのが1期治療だと思ってください。
お子さんの歯並びの状況や歯の生え変わりの時期によって、矯正治療を開始する年齢は変わります。早いお子さんですと4歳くらいから矯正治療を始めることもあります。一概に「何歳から矯正治療を始めるといい」とは決まっていません。成長には個人差があり、お子さんの協力度も考えながら開始する時期を決めます。
2期治療は、生え揃っている歯をきれいな歯並びになるように動かす治療です。永久歯が全て生え揃ってから始める治療で、大人の矯正治療と同じ治療方法です。1期治療で土台を整え、2期治療で歯を並べる流れです。
2期治療は、前から7番目の歯(12歳臼歯)が生え揃う中学生頃から開始します。1期治療で土台づくりをしていると2期治療の期間がスムーズに進むため、2期治療が短期間で終わることが多いです。また、1期治療を行うことで歯を抜いたり削らなくても矯正治療を行うことができます。
小児矯正は1期治療~2期治療まであり、トータルの矯正治療期間は2期治療(大人の矯正治療)だけ行うよりも長いです。しかし、治療方法や使用する装置など「子どもだからできる」選択肢が増えます。小児矯正を開始する時期はお子さんによって変わります。歯並びが気になったときに、歯医者に相談することをお勧めします。
小児矯正で使用する装置には、たくさんの種類があります。お子さんの咬み合わせや歯並びの状況に応じて使い分けます。1つだけ使うこともあれば、いくつかの装置を組み合わせることもあります。
小児矯正で使用する矯正装置は3種類あります。
・可撤式(かてつしき)矯正装置
・固定式矯正装置
・顎外固定装置
大人の矯正装置は何となく分かる方は多いと思いますが、小児の矯正装置は知らない方も多いと思います。それぞれどんな装置なのか、特徴をお話しします。
可撤式(かてつしき)矯正装置とは、プレートタイプやマウスピースタイプなど取り外しのできる矯正装置を指します。可撤式矯正装置の良いところは、装置を取り外せるため食事や歯磨きを今までと同じように行えます。そのため、矯正装置が入っても虫歯のリスクが高くなることはないでしょう。
可撤式矯正装置の難しいところは、お子さんと親御さんの協力がとても重要になることです。矯正装置を使わないと歯並びは治りませんし、矯正装置の管理ができないと壊れたり失くすことも考えられます。
お子さんの負担を考えると、取り外せるメリットは大きいと思います。お子さんの性格や親御さんの手間を考えながら選択してみてください。
固定式矯正装置とは、歯に矯正器具をつけてしまい、お家では取り外せない矯正装置です。歯医者で専用の器具を使って取り外します。矯正装置を入れたときは、多少違和感があるでしょう。しかし、だんだんお口の中に矯正装置が入っていても違和感がなくなってきますので、ご安心ください。可撤式矯正装置と違い、歯に固定をしていますので「矯正装置が使えなくて治らない」ということはないです。
デメリットは、矯正装置の不具合があっても取り外せないため、その都度歯医者に来院していただくことになります。また、食べ物が挟まりやすくなったり歯磨きがしにくくなります。虫歯にならないように気をつける必要があります。
顎外固定装置は、お口の外につける矯正装置です。1日12時間以上の使用を目標に、お家にいる時間や夜間寝ている間に使用します。お口の外に矯正装置がついたまま寝ていただきます。慣れるまでの違和感や夏場の汗・蒸れなどの対策など、いろいろな問題が出すい矯正装置です。親御さんにはお子さんのモチベーションや装置の着脱などサポートをお願いいたします。
可撤式矯正装置といってもたくさん種類があります。歯を動かす装置がありますが、機能的矯正装置といって上下の顎のバランスを整えるように成長を促す矯正装置もあります。それぞれの特徴を説明します。
拡大床は、歯列を拡げるための矯正装置です。歯が並ぶスペースが足りない歯列の方に使用します。床と呼ばれるプレートの真ん中にネジが埋め込まれています。そのネジを1~2週間に1回まわし、プレートを拡げます。
バイオネーターは上下がくっついている床矯正装置です。機能的矯正装置ともいわれ、歯を動かすのではなく筋肉の動きを利用することで下顎の成長を促す矯正装置です。下顎の成長が小さく上下のバランスが悪い場合に、下顎が成長をする6~13歳くらいで使用します。
下唇の力が強い方や噛んでいる方は、下の前歯が内側に倒れてきます。下の歯と下唇の間にリップバンパーを入れて下の歯に必要以上の力がかからないようにします。
ツインブロックは、上下に分かれている床矯正装置です。機能的矯正装置の1つで、ツインブロックを入れて咬み合わせると下顎が前にズレる傾斜がついています。バイオネーターと同じような効果が期待され、上下のバランスを整えるための矯正装置です。
ムーシールドは受け口に使用するマウスピース型の矯正装置です。3歳から使用することができ、早期治療が可能です。上顎を前に、下顎を後ろに下げる咬合誘導を行います。また、お口周りの筋肉や舌の癖も整える矯正装置です。
F.K.O(エフカーオー)は、上下がくっついている矯正装置です。機能的矯正装置で、上下の顎のアンバランスを筋肉の働きを利用して整え成長を促す効果があります。
「インビザライン」というカスタムメイド型のマウスピースの矯正装置を使用した治療方法です。インビザラインファーストは、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期の治療で使用できます。とにかく見た目が目立たない矯正装置です。ワイヤーがないため、スポーツの制限もありません。いろいろな歯並び・咬み合わせに対応している矯正装置ですので、極端に難しい症例ではない限りどの患者さんでも選択できます。
お口周りの筋肉のバランスや舌の癖によって、歯並び・咬み合わせに影響していることがあります。その筋肉のバランスを整え、舌の正しい使い方を習得することで歯並び・咬み合わせを良くしていくのが、トレーナーと呼ばれるマウスピースです。この矯正装置は、使用するだけではなく舌の使い方や呼吸の仕方などのトレーニングを合わせて行います。
固定式矯正装置は、お口の中に固定してしまうため自分では取り外しができません。ワイヤーの力で歯や顎全体を拡げる力をかけます。可撤式矯正装置に比べると痛みを感じやすくなります。
クワドヘリックスは、ワイヤーのバネの力を利用して歯列の横幅を拡げる矯正装置です。歯の裏側にワイヤーがくるため、気になって舌で触っていると舌が痛くなることがあります。
GMD・ペンギュラムは、6歳臼歯(第1歳臼歯)を後ろに移動させる矯正装置です。歯を傾斜させず後ろに移動できます。移動した後は、装置を変更して手前の歯も順番に後ろに移動します。この矯正治療を行うことで、抜歯矯正を回避できることが多いです。
急速拡大装置は、歯列の横幅を拡大する力をかける矯正装置です。プレートタイプの拡大床は徐々に拡げるのに対し、この矯正装置は「急速」とついているように短期間で大きく拡げます。
上顎は、右と左の2枚の骨がくっついてできています。急速に拡大することで2枚の骨を離し顎を拡げ、その隙間に新しい骨がつくられることで顎を大きくします。拡大する期間は短いですが、骨ができるまで固定しておかないといけないため、装置は数ヶ月~1年くらい入れたままになります。
リンガルアーチは、前歯を押す力をかけることができる矯正装置です。歯列の大きさを保つためにも使用することがあります。
タングガードと名前にあるように、舌をガードする矯正装置です。舌の癖があり、飲み込みや喋るときに舌が前に出てしまい、前歯の咬み合わせが開いて開口と呼ばれる咬み合わせになります。開口の方によく使用する装置で、上の前歯の後ろあたりに舌が前に出ないように柵や突起がつけてあります。
前歯のみに大人の矯正治療で使用するブラケットを張り、前歯のガタガタやすきっ歯・前歯を前後に動かしたいときに使用する矯正装置です。歯を1本1本動かせるため、捻じれている歯や傾きなどの調整が行えます。
上下の顎のアンバランスが原因で咬み合わせが悪い場合は、バランスが良くなるように矯正治療を行います。お口の外(頭や首など)に固定を置き、顎の成長抑制や促進・歯を動かす力をかけます。
おでこと顎に固定を置いたフェイスマスクのフックと口腔内の装置についているフックにゴムをかけることで、上顎を前に引っ張る力がかかる矯正装置です。
受け口の方に使用する矯正装置です。下顎が前に出ないように成長の抑制を行います。この矯正装置単体で使うことはあまりなく、上顎にリンガルアーチを入れて使用しチンキャップと併用します。これにより上は前へ、下は後ろへ力をかけて咬み合わせを改善します。
ヘッドギアは、子どもの成長期に使用することで上顎の成長抑制を期待する矯正装置です。また、上顎の奥歯を後ろに動かすこともできます。
2期治療は、大人の矯正治療と同じ治療です。1期治療で土台の矯正治療を行い、2期治療ではワイヤーかマウスピースの矯正で仕上げを行います。
歯の表側にブラケットと呼ばれる矯正装置をつけ、ワイヤーの力で歯を1本1本動かして歯並びをきれいにします。
歯の裏側に矯正装置をつけて治療を行います。矯正装置が見えないため、見た目が気にならない矯正装置です。歯の裏側に矯正装置がついているため、舌に当たりやすくなるのがデメリットです。
マウスピースを1~2週間に1回交換することで、歯を少しずつ動かして歯並びをきれいにします。ワイヤー矯正に比べて痛みが少なく、見た目は矯正していると分からない矯正装置です。自己管理が必要ですが、マウスピースの着脱や管理が難しいわけではありませんので安心してお使いいただけます。
小児矯正には、たくさん種類があります。「絶対にこれがお勧め!」という治療方法はありません。
顎を拡げたり成長を促してバランスを整える矯正治療は、成長期の時期に行うからこそ効果が出やすいです。小児矯正は、大人の矯正治療では使えない矯正装置があり、治療の選択肢が増え、さまざまな可能性があるのがメリットです。
歯医者によって使用する矯正装置は変わりますし、お子さんによって向き不向きがあります。たくさんある矯正装置の中でお子さんに合わせて矯正装置を選択していくことが、スムーズに治療を進めるための1つのポイントです。
まずは、お子さんの歯並び・咬み合わせの現状と、どんな治療方法になりそうなのか知ることが大切です。ぜひ歯医者に相談してみてください。
2022/12/21
矯正について調べてみると「1期治療」「2期治療」と出てきます。小児矯正は、1期治療と2期治療の2段階に分かれます。
1期治療は、乳歯(子どもの歯)から永久歯(大人の歯)に生え変わるまでの間にする矯正治療です。
2期治療は、全て永久歯に生え変わった後に行う矯正治療です。大人の方が行う矯正治療と同じになります。
小児矯正といっても、皆さんが最終的にきれいな歯並びにしたいのは「乳歯」ではなく「永久歯」だと思います。そのため、「それなら、2期治療だけでもいいのでは?」と思う方はいらっしゃると思います。もちろん、2期治療だけでも矯正治療はできますが、1期治療の時期だからできる矯正治療があります。
まずは「1期治療は、どのような矯正治療を行うのか」1期治療の目的についてお伝えします。
1期治療とは、歯をきれいに並べる矯正治療ではなく、歯並びが悪くなる原因を取り除く矯正治療です。
・顎の骨のバランスを整える
・歯が生えるスペースをつくる
・お口周りの癖を取り除く
といった「歯を並べるための土台作り」を行う矯正治療です。
お子さんの上下の咬み合わせや顎のバランスをみながら、顎の成長を促す矯正装置を使うこともあります。顎の成長を促す治療は、子どもの成長期だから期待できる効果です。また、咬み合わせなどの変化に適応しやすいため、大人に比べると治療の負担は少ないと思います。
他にも指吸いや舌の癖、お口が閉じているかなど、普段の生活での癖や習慣が歯並びに影響してくることがあります。こういった歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼす癖や習慣を「口腔悪習癖」といいます。悪影響が出てくる前に癖や習慣を改善していくことも1期治療の役割です。
では、なぜ「1期治療をして土台作りをすることで何が良いの?」となるのではないでしょうか。1期治療をするメリットは以下の2つが挙げられます。
・顎のバランスを整えられる
・抜歯矯正の可能性が低くなる
咬み合わせが悪いことで顎関節症になったり、歯にダメージが起きて、歯周病が進行しやすくなります。顎のバランスを整えると咬み合わせが安定できて、大人になってからの病気を予防できます。
また、顎を拡げることで歯が並ぶスペースができるので、歯を抜かなくても矯正ができます。
1期治療だからできる治療のため、2期治療では同じ治療ができないことがあります。子どものうちにできる治療は、治療できる時期が決まっています。遅すぎるとできない治療ですので、早めに小児矯正について考えておきましょう。
「1期治療を始めると2期治療は絶対しないといけないですか?」と聞かれることがあります。矯正治療は矯正期間が長く、自費治療なので料金がかかります。矯正させてあげたいけど「1期治療だけでやめたいな」とご要望の親御さんは多くいらっしゃいます。
前提として、矯正治療は1期治療~2期治療という流れで治療を行いますので、1期治療だけでなく2期治療までのトータルで考えます。ですので「1期治療だけで矯正治療が終わります」とお約束はできませんが、1期治療だけで終了される方もいらっしゃいます。
1期治療だけで矯正治療をやめた場合は、完璧な歯並びではなく歯並びの完成度が70%くらいになります。「なんとなくきれいに並んでいる」「咬み合わせが安定している」くらいまでの矯正治療はできるでしょう。元の歯並びや咬み合わせの状態によっては、矯正治療をした歯並びに見えないこともあります。あくまで1期治療は「土台作りの矯正治療」のため、きれいな歯並びまでもっていくことは難しいと考えましょう。
1期治療では、顎のバランスを整えるなどの歯が生えるスペースをつくる土台作りを行います。そして、2期治療で歯並びをきれいに並べます。矯正治療の目的が違うため、1期治療~2期治療までトータルで矯正治療を行うことをお勧めします。
せっかく1期治療で土台作りをしたのに2期治療をしないと歯がガタガタ・八重歯などの歯並びのままになります。「それでも始めた時に比べると良いですよね」となることが多いです。
きれいな歯並びは、お口の中を自己管理しやすくなり、虫歯や歯周病になりにくくなるメリットがあります。小さい頃から歯医者に通って、歯磨き指導など予防や管理について知っていただいているからこそ、もっと病気にならないようにしてもらいたいと思っています。
若いうちには気にならない歯周病も、大人になるとほとんどの方が罹患している病気です。口腔環境を良い状態で保つには、自己管理しやすい環境をつくることが1つだと思います。歯並びだけ、今の状況だけを考えるのではなく、今後のことも考えてみてください。患者さんの長い人生を考え、トータルの矯正治療をお勧めしております。
1期治療がうまくいき、歯並びが悪くない場合は、1期治療で矯正治療を終了できる方もいらっしゃいます。
・骨格的な問題がある
・歯が埋まっているなどの異常がある
・生えてきた歯の向きが違う、捻じれなどがある
などの問題がある場合は2期治療まで行うことがほとんどです。しかし、このような問題がない場合は、1期治療で終了することができます。
先程も言ったように、完璧な歯並びにはならないですが、咬み合わせ・歯並びが70%くらいの完成度になります。しかし、食事をしたり喋ったりと生活するうえで困ることはないでしょう。
1期治療での完成度・2期治療までやる完成度について、お子さんの歯並びによってメリット・デメリットは変わります。1期治療までで矯正治療が終了できるのか、担当の歯科医師と相談してみてください。
「1期治療が終了した後すぐに2期治療を始めないといけませんか?」とお問い合わせいただくことがあります。
1期治療後、期間を空けて2期治療を行うことはできます。2期治療は大人の矯正治療と同じ治療ですので、いつからでも開始できます。
1期治療が終了する時期が12歳前後です。(歯の生え変わりや顎の成長によって変わってきます)中学校へ進学すると環境やお子さんの精神的な成長など色々な変化が起こります。通院ができなくなる・子どものモチベーションがなく非協力になることも考えられます。この時期に2期治療を行うことが難しい方もいらっしゃいます。
高校生や大学生になってから2期治療を開始される方も多く、1期治療後から3~6年後からでも2期治療はできます。2期治療の期間によっては、学校の進学などで通院ができるのかをよく考えておく必要があります。ライフイベントなどを考え2期治療の時期を決めてください。
いつでも再開できるとは言いましたが、矯正治療をするのであれば早いうちが良いです。「若いうちの方が怪我の治りが良い」といいますよね。
骨の中に埋まっている歯を動かして矯正治療を行います。矯正治療の治りや予後は、年齢とともに悪くなりやすいです。30代で矯正治療をするより10代で矯正治療を行う方が治りが良いとされています。「いつか2期治療をしようかな」と考えているのであれば、早めに2期治療を開始した方が良いでしょう。
小児矯正は、1期治療と2期治療の2段階あります。
1期治療で顎のバランス・咬み合わせを整え、癖や習慣などの改善を行います。歯を並べるというよりも歯並びが良くなるための土台作りの役割です。2期治療できれいな歯並びにしていくための矯正治療を行います。
1期治療から2期治療までトータルで治療を行うことで、きれいな歯並び・咬み合わせを目指します。1期治療だけの矯正治療ですと70%くらいの歯並びになります。歯並びや咬み合わせ・お子さんや親御さんのご要望に応じて、1期治療で終了することもあります。
歯医者としては、きれいな歯並びを目指すのであれば1期治療から2期治療までトータルで矯正治療を行うことをお勧めします。1期治療を終了して2期治療を継続していない場合でも、歯並びが気になったタイミングで2期治療を開始できます。2期治療の開始時期は担当の歯科医師と相談して決めましょう。