2023/01/30
お子さんの矯正治療には「1期治療」と「2期治療」の2段階あるのですが、ご存じでしょうか?お子さん歯並びや矯正を始める時期によって治療の仕方が変わってきます。
1期治療は、お子さんの骨の成長を利用していく治療です。上下の顎のバランスを整えるように矯正を行い、咬み合わせを安定させていきます。イメージとしては、歯がキレイに並ぶ土台をつくってあげるのが1期治療だと思ってください。
お子さんの歯並びの状況や歯の生え変わりの時期によって、矯正治療を開始する年齢は変わってきます。早いお子さんですと4歳くらいから矯正治療を始めることもあります。
一概に「何歳から矯正治療を始めるといい」とは決まっていません。成長には個人差もあり、お子さんの協力度なども考えながら矯正治療を開始する時期を決めていくことになります。
2期治療は、生え揃っている歯をキレイな歯並びになるように動かしていく治療です。永久歯が全て生え揃ってから始める治療で、大人の矯正治療と同じ治療方法になります。1期治療で土台を整え、2期治療で歯を並べていくという流れになります。
2期治療は、前から7番目の歯(12歳臼歯)が生え揃う中学生ごろから矯正治療を開始していきます。
1期治療で土台づくりをしていると2期治療の期間がスムーズに進むため、2期治療が短期間で終わることが多いです。また、1期治療を行うことで歯を抜いたり削ったりしなくても矯正治療を行うことができます。
小児矯正は1期治療~2期治療まであり、トータルの矯正治療期間は2期治療(大人の矯正治療)だけ行うよりも長いです。しかし、治療方法や使用する装置など「子どもだからできる」選択肢も増えます。
小児矯正を開始する時期はお子さんによって変わってきます。歯並びが気になったときに1度、歯医者に相談することをおすすめいたします。
小児矯正で使用する装置には、たくさんの種類があります。お子さんの咬み合わせや歯並びの状況に応じて使い分けていきます。
1つだけ使うこともあれば、いくつかの装置を組み合わせて矯正治療を行っていくこともあります。
・小児矯正で使用する矯正装置には3種類あります。
・可撤式(かてつしき)矯正装置
・固定式矯正装置
・顎外固定装置
大人の矯正装置は何となく分かる方も多いとは思いますが、小児の矯正装置は知らないという方も多いと思います。
それぞれの装置がどんな装置なのか、特徴についてお話していきます。
可撤式(かてつしき)矯正装置とは、プレートタイプやマウスピースタイプなどの取り外しのできる矯正装置のことを指します。
可撤式矯正装置の良いところは、装置を取り外すことができるため食事や歯磨きは今までと同じように行うことができます。そのため、矯正装置が入っても虫歯のリスクが高くなることはないでしょう。
可撤式矯正装置の難しいところは、お子さんと親御さんの協力がとても重要になってくるところです。矯正装置を使わないと歯並びは治りませんし、矯正装置の管理ができないと壊れたり失くしたりということも考えられます。
お子さんの負担なども考えると取り外しができるメリットは大きいと思います。お子さんの性格や親御さんの手間なども考えながら選択してみてください。
固定式矯正装置とは、歯に矯正器具をつけてしまい、お家では取り外すことのできない矯正装置です。歯医者で専用の器具を使い、取り外しをしていきます。
矯正装置を入れたときは、多少違和感があるでしょう。しかし、だんだんとお口の中に矯正装置が入ってても違和感がなくなってきますので、ご安心ください。
可撤式矯正装置とは違い、歯に固定をしていますので「矯正装置が使えなくて治らない」ということはないです。
デメリットとしては、矯正装置の不具合があっても取り外しができないため、その都度歯医者に来院していただくことになります。また、食べ物が挟まりやすくなったり歯磨きがしにくくなったりします。虫歯にならないように気をつけておく必要があります。
顎外固定装置は、お口の外につける矯正装置になります。
1日12時間以上の使用を目標とし、お家にいる時間や夜間寝ている間に使用していただきます。お口の外に矯正装置がついたまま寝ていただくようになります。
慣れるまでの違和感や夏場の汗・蒸れなどの対策など色々な問題がでてきやすい矯正装置です。親御さんにもお子さんのモチベーションや装置の着脱などのサポートをお願いいたします。
可撤式矯正装置といってもたくさんの種類があります。歯を動かす装置もありますが、機能的矯正装置と言って、上下の顎のバランスを整えていくように成長を促す矯正装置もあります。それぞれの特徴について説明していきます。
拡大床は、歯列を拡げるための矯正装置です。歯が並ぶスペースが足りない歯列の方に使用していきます。
床と呼ばれるプレートの真ん中にネジが埋め込まれています。そのネジを1~2週間に1回まわし、プレートを拡げていきます。
バイオネーターは上下がくっついている床矯正装置です。機能的矯正装置とも言われ、歯を動かすのではなく筋肉の動きを利用することで下顎の成長を促す矯正装置になります。下顎の成長が小さく、上下のバランスが悪い場合に使用していきます。下顎が成長をする6~13歳くらいで使用していきます。
下唇の力が強い方や噛んでる方は、下の前歯が内側に倒れてきます。下の歯と下唇の間にリップバンパーを入れることで下の歯に必要以上の力がかからないようになります。
ツインブロックは、上下に分かれている床矯正装置です。機能的矯正装置の1つで、ツインブロックを入れて咬み合わせると下顎が前にズレるような傾斜がついています。
バイオネーターと同じような効果が期待され、上下のバランスを整えるための矯正装置になります。
ムーシールドは受け口に使用するマウスピース型の矯正装置になります。3歳から使用することができ、早期治療が可能な矯正装置です。
上顎を前に、下顎を後ろに下げるような咬合誘導が行われます。また、お口周りの筋肉や舌の癖なども整えてくれる矯正装置です。
F.K.O(エフカーオー)は、上下がくっついている矯正装置です。機能的矯正装置で、上下の顎のアンバランスなどを筋肉の働きを利用し、バランスを整え成長を促していく効果があります。
「インビザライン」というカスタムメイド型のマウスピースの矯正装置を使用した治療方法です。インビザラインファーストは、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期の治療で使用できます。
とにかく見た目が目立たない矯正装置です。ワイヤーなどもないため、スポーツなどの制限もありません。
いろいろな歯並び・咬み合わせに対応している矯正装置ですので、極端に難しい症例ではない限りどの患者さんでも選択できる矯正装置です。
お口周りの筋肉のバランスや舌の癖などによって、歯並び・咬み合わせに影響してきていることがあります。その筋肉のバランスを整え、舌の正しい使い方を習得することで歯並び・咬み合わせを良くしていくのが、トレーナーと呼ばれるマウスピースです。
この矯正装置は、使用するだけではなく舌の使い方や呼吸の仕方などのトレーニングを合わせて行っていきます。
固定式矯正装置は、お口の中に固定してしまうため自分では取り外しができません。ワイヤーの力によって、歯や顎全体を拡げていく力をかけていきます。可撤式矯正装置に比べると痛みを感じやすくなります。
クワドヘリックスは、ワイヤーのバネの力を利用して歯列の横幅を拡げていく矯正装置です。歯の裏側にワイヤーがくるため、気になって舌で触っていると舌が痛くなることがあります。
GMD・ペンギュラムは、6歳臼歯(第1歳臼歯)を後ろに移動させる矯正装置です。歯を傾斜させずに後ろに移動させることができます。移動させた後は、装置を変更し、手前の歯も順番に後ろに移動させていきます。
この矯正治療を行うことで、抜歯矯正を回避できることが多いです。
急速拡大装置は、歯列の横幅を拡大していく力をかける矯正装置です。プレートタイプの拡大床は徐々に拡げていくのに対し、この矯正装置は「急速」とついているように短期間で大きく拡げていきます。
上顎は、右と左の2枚の骨がくっついてできています。急速に拡大することで2枚の骨を離し顎を拡げ、その隙間に新しい骨がつくられることで顎を大きくしていきます。
拡大する期間は短いのですが、骨ができるまで固定をしておかないといけないため、装置は数か月~1年くらいは入れたままになります。
リンガルアーチは、前歯を押す力をかけることができる矯正装置です。また、歯列の大きさを保つためにも使用されることがあります。
タングガードと名前にあるように舌をガードする矯正装置です。
舌の癖があり、飲み込みや喋るときに舌が前に出てしまい、前歯の噛み合わせが開いて開口と呼ばれる咬み合わせになります。開口の方によく使用する装置で、上の前歯の後ろあたりに舌が前に出ないように柵や突起がつけてあります。
前歯のみに大人の矯正治療で使用するブラケットをはり、前歯のガタガタやすきっ歯・前歯を前後に動かしたいときに使用していく矯正装置です。
歯を1本1本動かせるため、捻じれている歯や歯の傾きなどの調整をおこなうこともできます。
上下の顎のアンバランスが原因で咬み合わせが悪い場合には、上下の顎のバランスが良くなるように矯正治療を行っていきます。お口の外(頭や首など)に固定をおき、顎の成長抑制や促進・歯を動かす力をかけていきます。
おでこと顎に固定を置いたフェイスマスクのフックと口腔内の装置についているフックにゴムをかけることで、上顎を前に引っ張る力がかかる矯正装置です。
受け口の方に使用する矯正装置です。下顎が前に出ないように成長の抑制を行います。く上
この矯正装置単体で使うことはあまりなく、上顎にリンガルアーチを入れて使用しチンキャップと併用していきます。これにより上は前へ下は後ろへ力をかけ咬み合わせを改善していきます。
ヘッドギアは、子どもの成長期に使用することで上顎の成長抑制を期待する矯正装置です。また、上顎の奥歯を後ろに動かすこともできます。
2期治療は、大人の矯正治療と同じ治療になります。1期治療で土台の矯正治療を行い、2期治療ではワイヤーの矯正かマウスピースの矯正で仕上げの矯正治療を行っていきます。
歯の表側にブラケットと呼ばれる矯正装置をつけ、ワイヤーの力で歯を1本1本動かし歯並びをキレイにしていきます。
歯の裏側に矯正装置をつけ治療を行っていきます。矯正装置が見えないため、見た目に気にならない矯正装置です。歯の裏側に矯正装置がついているため、舌に当たりやすくなるのがデメリットになります。
マウスピースを1~2週間に1回交換することで、歯を少しずつ動かして歯並びをキレイにしていきます。ワイヤー矯正に比べ痛みが少なく、見た目にも矯正していると分からない矯正装置になります。
自己管理が必要にはなってきますが、マウスピースの着脱や管理が難しいわけではありませんので安心してお使いいただけます。
小児矯正には、たくさんの種類があります。「絶対にこれがおすすめ!」という治療方法は
ありません。
顎を拡げたり成長を促しバランスを整えたりする矯正治療は、成長期の時期に行うからこそ効果が出やすい矯正装置です。小児矯正は、大人の矯正治療では使えない矯正装置もあり、治療の選択肢が増え、様々な可能性があるのがメリットだと言えます。
歯医者によって使用する矯正装置は変わってきますし、お子さんによって向き不向きもあります。たくさんある矯正装置の中でお子さんに合わせて矯正装置を選択していくことがスムーズに治療を進めていくための1つのポイントです。
まずは、お子さんの歯並び・咬み合わせの現状とそんな治療方法になりそうなのか知っていくことが大切です。ぜひ一度、歯医者に相談してみてください。
2022/12/21
矯正について調べてみると「1期治療」「2期治療」と出てくると思います。小児矯正では、治療が1期治療と2期治療の2段階に分けられます。
1期治療は、乳歯(子どもの歯)から永久歯(大人の歯)に生え変わるまでの間にする矯正治療です。
2期治療は、全て永久歯に生え変わった後に行う矯正治療です。大人の方が行う矯正治療と同じになります。
小児矯正と言っても、みなさんが最終的にキレイな歯並びにしたいのは「乳歯」ではなく「永久歯」だと思います。そのため、「それなら、2期治療だけでもいいのでは?」と思う方もいらっしゃると思います。
もちろん、2期治療だけでも矯正治療はできますが、1期治療の時期だからできる矯正治療というのもあります。
まずは「1期治療では、どのような矯正治療を行っていくのか」、1期治療の目的についてお伝えしていきます。
1期治療とは、歯をキレイに並べる矯正治療ではなく、歯並びが悪くなる原因を取り除く矯正治療になります。
・顎の骨のバランスを整える
・歯が生えるスペースをつくる
・お口周りの癖を取り除く
といった「歯を並べるための土台作り」を行っていく矯正治療です。
お子さんの上下の咬み合わせや顎のバランスをみながら、顎の成長を促すような矯正装置を使うこともあります。顎の成長を促す治療は、子どもの成長期だから期待できる効果です。また、咬み合わせなどの変化にも適応しやすいため、大人に比べると治療の負担は少ないかと思います。
他にも指吸いや舌の癖、お口が閉じているかなど、普段の生活での癖や習慣によって歯並びに影響してくることがあります。こういった歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼす癖や習慣を「口腔悪習癖」と言います。悪影響が出てくる前に癖や習慣を改善していくことも1期治療の役割です。
では、なぜ「1期治療をして土台作りをすることで何が良いの?」となるのではないでしょうか。1期治療をするメリットとしては以下の2つが挙げられます。
・顎のバランスを整えることができる
・抜歯矯正の可能性が低くなる
咬み合わせが悪いことで顎関節症になったり、歯にダメージがいき、歯周病が進行しやすかったりします。顎のバランスを整えることで、咬み合わせを安定させることができ、大人に なってからの病気を予防することができます。
また、顎を拡げてあげることで歯が並ぶスペースをつくることができ、歯を抜かなくても矯正ができます。
1期治療だからできる治療になるため、2期治療では同じ治療ができないことがあります。子どものうちにできる治療は治療できる時期が決まっています。遅すぎるとできない治療になりますので、早めに小児矯正について考えておきましょう。
「1期治療を始めると2期治療は絶対しないといけないですか?」と聞かれることがあります。矯正治療は矯正期間も長く、自費治療となり料金もかかります。矯正させてあげたいけど「1期治療だけでやめたいな」とご要望の親御さんも多くいらっしゃいます。
前提として、矯正治療は1期治療〜2期治療という流れで治療を行っていきますので、1期治療だけでなく2期治療までのトータルで矯正治療を考えていきます。ですので「1期治療だけで矯正治療が終わります」とお約束はできませんが、1期治療だけで矯正治療を終了される方もいらっしゃいます。
1期治療だけで矯正治療をやめた場合は、完璧な歯並びではなく歯並びの完成度が70%くらいになります。「なんとなくきれいに並んでいる」「咬み合わせが安定している」くらいまでの矯正治療はできるでしょう。
また、1期治療で矯正治療を終了すると見た目の歯並びが70%くらいの仕上がりになります。元の歯並びや咬み合わせの状態によっては、矯正治療をした歯並びに見えないこともあります。あくまで1期治療は「土台作りの矯正治療」となるため、きれいな歯並びまでもっていくことは難しいと考えましょう。
1期治療では、顎のバランスを整えるなどの歯が生えるスペースをつっていく土台作りを行っていきます。そして、2期治療で歯並びをきれいに並べていきます。矯正治療の目的が違うため、1期治療〜2期治療までトータルで矯正治療を行っていくことをおすすめします。
せっかく1期治療で土台作りをしたのに2期治療をしなくて歯がガタガタ・八重歯などの歯並びのままになります。「それでも始めた時に比べると良いですよね」となることが多いです。
きれいな歯並びは、お口の中の自己管理しやすくなり虫歯や歯周病になりにくくなるメリットがあります。小さい頃から歯医者に通っていただき歯磨き指導など予防や管理について知っていただいているからこそ、もっと病気にならないようにしてもらいたいと思っています。
若いうちには気にならない歯周病も大人になってくるとほとんどの方が罹患している病気になります。口腔環境を良い状態で保っていくには、自己管理しやすい環境を作っていくことがその1つだと思います。歯並びだけ、今の状況だけを考えるのではなく、今後のことについても考えてみてください。
患者さんの長い人生を考え、トータルでの矯正治療をおすすめしております。
1期治療がうまくいき、歯並びが悪くない場合には、1期治療で矯正治療を終了できる方もいらっしゃいます。
・骨格的な問題がある
・歯が埋まっているなどの異常がある
・生えてきた歯の向きが違う、捻じれなどがある
などの問題がある場合は2期治療まで行うことがほとんどです。しかし、このような問題がない場合は、1期治療で終了することができます。
先程も言ったように、完璧な歯並びにはならないですが、咬み合わせ・歯並びが70%くらいの完成度になります。しかし、食事をしたり喋ったりと生活する上で困ることはないでしょう。
1期治療での完成度・2期治療までやる完成度について、メリット・デメリットなどのお子さんの歯並びによって変わってきます。1期治療までで矯正治療が終了できるのか、担当の歯科医師と相談してみてください。
「1期治療が終了した後すぐに2期治療を始めないといけませんか?」とお問い合わせいただくことがあります。
1期治療後、期間を空けて2期治療を行うことはできます。2期治療は大人の矯正治療と同じ治療になりますので、いつからでも開始できます。
1期治療が終了する時期が、12歳前後になります。(歯の生え変わりや顎の成長によっても変わってきます)中学校に進学による環境の変化・お子さんの精神的な成長など色々な変化が起こります。通院ができなくなる・子どものモチベーションがなく非協力になることも考えられます。この時期に2期治療を行うことが難しい方もいらっしゃいます。
高校生や大学生になってから2期治療を開始される方も多く、1期治療後から3〜6年後からでも2期治療はできます。2期治療の期間によっては、学校の進学などで通院ができるのかをよく考えておく必要があります。いつでも始めることはできますが、ライフイベントなどを考え2期治療の時期を決めてください。
いつでも再開できるとは言いましたが、矯正治療をするのであれば早いうちが良いです。「若いうちの方が怪我の治りが良い」と言いますよね。
骨の中に埋まっている歯を動かして矯正治療を行っていきます。矯正治療の治りや予後は、年齢とともに悪くなりやすいです。30代で矯正治療をするより10代で矯正治療を行う方が治りが良いとされています。
「いつか2期治療をしようかな」と考えているのであれば、早めに2期治療を開始した方が良いでしょう。
小児矯正は、1期治療と2期治療の2段階あります。
1期治療で顎のバランス・咬み合わせを整え、癖や習慣などの改善を行なっていきます。歯を並べるというよりも歯並びが良くなるための土台作りの役割です。2期治療できれいな歯並びにしていくための矯正治療を行なっていきます。
1期治療から2期治療までトータルで治療を行なっていくことで、きれいな歯並び・咬み合わせを目指していきます。
1期治療だけの矯正治療ですと70%くらいの歯並びになります。歯並びや咬み合わせ・お子さんや親御さんのご要望に応じて、1期治療で終了することもあります。
歯医者としては、きれいな歯並びを目指すのであれば1期治療から2期治療までトータルで矯正治療を行うことをおすすめいたします。
1期治療を終了して2期治療を継続していなかった場合でも歯並びが気になったタイミングで2期治療を開始することもできます。
2期治療は1期治療後すぐに開始しないといけない治療ではないため、2期治療の開始時期については担当の歯科医師と相談して決めていきましょう。
2022/11/17
「子どもの矯正は早い方がいいの?」「子どもの矯正治療の時期はいつから?」など、お子さんの矯正治療について悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか?
歯医者に相談する1つのタイミングとして「小学校になったら」を目安にしていただけるといいかと思います。
小児矯正は「上下の前歯が生え変わった」くらいを目安に矯正を始めます。平均的な生え変わりの子で8~9歳(小学校2~3年生)くらいの時期から小児矯正を始めることが多いです。
しかし、歯の生え変わりは個人差があり、早く歯の生え変わりする子もいれば、のんびり生え変わりが遅い子もいますので、年齢や学年はあくまでも目安の時期として考えてください。
小児矯正は歯の生え変わりのタイミングをみつつ、矯正治療の時期を決めていきます。小学校に入ったタイミングだと矯正治療を開始するには少し早いかもしれません。ですが、矯正のタイミングを逃さないためにも口腔内の状況を把握しておき、お子さんに合った矯正の時期を決めていくことが必要です。
そのためにも、小学生になったタイミングで1度歯医者に相談に行きましょう。
子どもの矯正はいつから始まっていつ終わるのかご存じでしょうか?子どもの矯正には2つの治療時期があります。
・一期治療(小学生)
・二期治療(中学生以降)
それぞれ始める年齢や治療の目的が違います。どういった違いがあるのかご説明していきますね。
一期治療は、混合歯列期(乳歯と永久歯が混合している時期)に行う小児矯正です。上下の前歯が生え変わったくらいのタイミングで矯正治療を開始します。だいたい8〜9歳くらい(小学生2〜3年生くらい)を目安にしておきましょう。
小児矯正は、歯を並べることよりも歯と顎のバランスを整え、かみ合わせの安定を図ります。子どもの成長を利用していくため、この時期にしかできない矯正治療になります。
二期治療は、大人の矯正治療と同じとなります。永久歯が生え揃ってから行います。第二大臼歯(だいきゅうし)と呼ばれる1番奥歯が生えてくる時期が12〜13歳くらいになります。ですので、中学生以降であればいつでも二期治療をすることができます。
大人の矯正治療は、歯並びをきれいにしていく矯正になります。成長が終わっているため、顎を拡げるような治療が子どものときほど上手くいかないこともあります。その場合は歯を抜き、歯を並べるスペースを確保するために抜歯矯正になる可能性もあります。
矯正をしようと考えているが「一期治療からするべきなのか二期治療からでもいいのか…」と悩まれている親御さんも多いと思います。
一期治療である小児矯正は、子どもの成長を利用し矯正治療を行っていきます。ですので、この時期にしかできない治療方法になります。
大人の矯正との違いやメリットがあり、
・顎の成長をコントロールしやすい
・歯が動きやすい
・抜歯のリスクが低い
・適応能力が高い
・治療費を安く抑えられる
この5つが小児矯正のメリットになります。では、小児矯正の5つのメリットについてお伝えしていきます。
子どもの矯正治療は、成長を利用して矯正治療を行っていきます。顎のバランスが良くなるように矯正器具などを使用し顎の成長をコントロールしていきます。
顎を拡げるような治療は、大人になってからだと上手くいかないこともあり、成長中の子どもだから上手くいく治療方法になります。
歯を動かすには、周りの骨を溶かし動かしていく必要があります。骨は年々硬くなっていくため、年を重ね矯正治療を始めると歯が動かない・動きにくいなどの症状がでてきやすいです。
矯正治療はいつでもできるのですが、早く始めた方が良いというのはこれが理由です。
矯正するときに”歯を抜く”というのは聞いたことがあると思います。なぜ歯を抜くのかと言うと、顎が小さいなどの理由から歯が生えるスペースがないことが原因になります。
しかし、「矯正はしたいが、できるだけ歯は抜きたくない」と考えている方も多いのではないでしょうか?
子どもの矯正治療では、顎を拡げることで歯が生えるスペースをつくることができます。これにより、歯を抜かなくても矯正治療ができる可能性が大きく上がります。
お子さんの適応能力はとっても高いです。矯正装置の違和感など2~3日で慣れる子が多く、痛みを強く訴えるお子さんも少ないです。
一期治療と二期治療では、二期治療の方が費用が高いことが多いです。一期治療で終えることができれば、二期治療をしないため安く矯正治療を終えることができます。歯科医院によって費用の形態は変わりますので、確認をしてみましょう。
子どもの治療は、治療方針の選択肢が増えるため、良いことばかりのように聞こえますが、デメリットもあります。
・治療期間や観察期間が長い
・お子さんのストレスになりかねない
・虫歯のリスクが上がる
など3つのデメリットについてお話していきます。小児矯正のデメリットもしっかりと理解した上で始めていきましょう。
一期治療は、歯の生え変わりのタイミングで矯正治療を始めます。矯正は、歯が生え変わり永久歯列になったところで一旦終了することがほとんどです。個人差はありますが、永久歯に生え揃うまでの期間など歯の生え変わりや成長によって治療期間や観察期間が長くなってしまいます。
治療期間が長くなる分、通院期間も長くなりますので要注意です。
「矯正治療をしたい!」と子どもが言うので矯正を始めたご家庭はあまりいらっしゃらないです。
親御さんが歯並びについて気になり矯正治療を始めるご家庭が多いです。「やりたくないものをやらされている」という感覚になるお子さんもいるため、異物感のある矯正装置などを入れ負担になるお子さんもいるので気をつけておきましょう。
矯正治療前には、お子さんにしっかり説明し、矯正治療がどういうものか理解ができた上で小児矯正を開始するのが理想的です。
矯正装置をいれると、矯正装置が入ってないときに比べ、虫歯のリスクが上がります。食べ物が詰まりやすくなったり、歯みがきがしにくくなったりするため、患者さん自身のセルフケアやお口の中の管理をしっかり行っていく必要があります。
親御さんへの仕上げ磨き指導や食生活指導なども行っていき、矯正治療中も虫歯にならないように管理していきます。
一期治療は、小児矯正と呼ばれ生え変わりの時期に矯正治療を行います。歯をキレイに並べていくことよりも顎のバランスや咬み合わせ・口腔悪習癖などの改善をメインに矯正治療を行っていきます。
患者さんの歯並びに合わせて矯正装置が変わってきます。顎を拡げる・咬み合わせなど、歯と顎のバランスを良くしていくことを中心に治療を行ってきます。ワイヤーやマウスピースなど患者さんの治療に合わせて矯正装置を選択していきます。
矯正装置代が300,000~500,000円、調整料が3,000~5,000円くらいを目安の費用にしてください。
小学校いっぱいはみておくことをおすすめします。顎を拡げる治療などは2年ほどで終わる傾向にありますが、生え変わりが終わるまでの期間は通うことになります。
二期治療は、大人の矯正と同じようになります。
ワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正で治療を行っていきます。歯を1本1本動かし歯並びを良くしていく治療になります。歯科医師と相談して決めていきましょう。
矯正装置代が800,000~1,100,000円くらいかかります。一期治療をしている場合には、差額で二期治療を受けられることもあります。費用などは歯科医院に確認してみてください。
大人の矯正治療はだいたい2~3年です。歯列の状態や骨格・咬み合わせによって治療期間は変わってきます。一期治療をしている場合には、その半分くらいの期間で矯正が終わることもあります。
「子どもの矯正治療はいつからすればいいの?」と子どもの矯正治療をお考えの方は、お子さんが小学生になったら1度歯科医院に相談にいきましょう。
小児矯正は、顎のバランスを整えるための治療をすることができ、歯を抜かずに矯正治療を行うことができるかもしれません。早いうちから矯正治療を行うメリットになります。
成長中の子どもだからできる矯正治療方法もあり、矯正を始めるタイミングが重要になってきます。そのタイミングを逃さないためにも1度歯科医院で相談してみましょう。
2022/10/21
「子供の矯正治療と大人の矯正治療はどう違うの?」「矯正治療は、いつ始めても同じ治療方法?」など、矯正治療について何となくのイメージしかなく「実際のところよく分からない」なんて方も多いのではないでしょうか?
小児矯正は「1期治療」と「2期治療」の二段階に分けることができます。それぞれの治療について説明していきますね。
1期治療は、乳歯と永久歯が混在した「混合歯列期」に行う矯正治療です。永久歯の大きさやスペース不足などの現状の把握と今後の予測をしながら行う矯正治療を行っていきます。
子供の成長を利用し上下の顎のバランスを整え、歯並びや咬み合わせが良くなるように誘導してあげる「咬合誘導」という治療になります。
小児矯正は「歯を動かす治療」よりも「口の周りの骨や筋肉のバランスを整える治療」がメインとなってきます。
2期治療は、永久歯が生え揃った後に開始する矯正治療です。いわゆる「大人の矯正治療」になります。歯を1本1本動かし、キレイな歯並びになるように矯正を行っていきます。
成長が終わっていることもあり、顎を拡大することが難しい場合には歯を抜いてスペースをつくることがあります。
「子供の矯正は、いつ始めるのがいいのだろうか?」「子供の矯正治療はどのくらいの期間になる?」など、治療の開始時期や治療期間について気になる方も多いと思います。
小児矯正は、歯並びや咬み合わせ・顎の大きさなどによって矯正治療開始時期が変わってきます。また、治療期間は1期治療・2期治療だけ矯正治療を行うのか、両方の治療を行うのかによって治療期間が違ってきます。
それぞれ、いつ始めると良いのか、どのくらいの期間がかかるのかお伝えしていきます。矯正治療の目安にして、考えてみてください。
1期治療の矯正開始時期は、上下の前歯4本が永久歯に生え変わった時期を目安にします。平均的な生え変わりの時期だと8〜9歳くらい(2〜3年生)だと思ってください。
1期治療を開始し、歯並びや咬み合わせが改善・安定したら矯正が終わるわけではありません。矯正治療の最終的なゴール目標は、永久歯の歯並びと咬み合わせが良くなることです。永久歯に生え変わりが完了するまで治療を行うことになります。
永久歯に生え変わるのが、12〜13歳くらいになります。8歳から始めると4〜5年の矯正期間がかかります。
1期治療では、歯をキレイに並べる治療よりも咬み合わせや上下の顎のバランスなど不正咬合の治療を行っていきます。そのため、歯の傾きや捻じれなどを改善するためには歯を1本1本動かす2期治療が必要になってきます。
矯正期間としては、1期治療の4〜5年+2期治療の1〜2年になるでしょう。小学生から矯正治療を始め、中学生くらいまで矯正治療がかかります。
2期治療は、永久歯の矯正治療になります。永久歯に生えかわっていれば矯正治療を始めることができます。12歳前後で奥歯が生えかけの場合などは、状況によって完全に歯が生えるのを待つこともあります。
2期治療の矯正期間は、2〜3年くらいです。1期治療よりも治療期間は短くなります。顎の大きさや生えている歯が変わることはないため、1期治療のように生え変わりを待つ期間などなく、スムーズに治療を進めることができます。
しかし、1期治療のように顎を拡げる治療ができない場合もあり、歯を抜かないといけないこともあります。1期治療の方が、治療方法や手段が多いと言えるでしょう。
「1期治療をした方がいいの?」「2期治療からでも矯正できる?」
と子供の負担なども考え「矯正治療をいつから始めようか…」と悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
矯正治療は、ほとんどの場合1期治療でも2期治療でも歯並びを治すことができます。しかし、1期治療でできる矯正治療と2期治療でする矯正治療では、治療内容や矯正器具などが変わってきます。
1期治療では、
・口腔悪習癖の改善
・歯を抜かない矯正治療
・顎を拡げるなどの成長を利用した治療
・子供のうちからの虫歯予防
のメリットがあります。咬み合わせの安定や機能的な改善をしていくには、早めの矯正治療が良いと考えております。大人になってからの治療では改善が難しいものもあり、1期治療だからできる矯正治療になります。
子供の矯正を考えている方は、1期治療のメリットや1期治療をやる意味について知っていただければと思います。
「口腔悪習癖」という言葉を聞いたことはありますか?
口腔悪習癖とは、
・お口がポカーンと開いている
・指しゃぶり
・口唇を噛む
・舌癖
など、口の周りを含めた歯並びに影響する悪い「癖」のことを指します。口腔悪習癖があることで、その「癖」特有の口元になり歯並びが悪くなることがあります。
口腔悪習癖があっても矯正治療を行うことはできます。しかし、矯正してきれいな歯並びになっても口腔悪習癖が続いているため、後戻りしやすくなり矯正前の歯並びに戻ることもあります。
大人になってから今までしていた癖を取ろうと思っても、なかなか癖をなくすことができず改善が難しいです。1期治療で口腔悪習癖を改善することで歯の生え変わり前に癖がなくなり、永久歯が良い位置に生えてきてくれる期待も持てます。
そのため、口腔悪習癖を治すには1期治療のように子供の早いうちに介入をすることをおすすめしております。
「できるだけ、歯を抜かずに矯正を行いたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか?1期治療から矯正治療を行うと歯を抜かずに矯正治療を行うことができるかもしれません。
顎が小さく歯が並ぶスペースがない場合などには、歯が並ぶスペースをつくってあげる必要があります。その場合、選択肢の1つとして「顎を拡げる」治療があります。
骨が成長している時期に合わせて顎を拡げてあげることで、顎の成長を促進させるような力が加わり顎が拡がっていきます。顎を拡げてあげることで、歯を抜かずに矯正を行う選択肢をつくることができます。1期治療を行うことで、成長を利用する矯正治療を行うことができます。
※症例によっては、抜歯が必要な場合もあります。
1期治療は成長を利用した矯正治療を行うため、ある程度の顎骨のコントロールをすることができます。歯を並べるだけではなく、顎のバランスを整えることで咬み合わせの安定を図ることができるのが特徴です。小児矯正だから期待できることの1つになります。
矯正治療は、歯並びをキレイにする目的で行うことが多いですが「虫歯予防」にも繋がっていきます。
歯並びが悪いとセルフケアが難しく、虫歯になりやすい環境ができやすくなります。歯並びをキレイにすることでセルフケアをしやすくなります。また、矯正治療通院中に歯磨き指導などを受けるためセルフケアが上手になり、口腔内環境を良い状態に保つことができます。
「小児矯正はいくらかかるの?」と矯正費用が気になりますよね。矯正を始める前にどのくらい費用がかかるのか把握しておきたいという方もいらっしゃると思います。
矯正費用は医院によって変わってきます。どのくらい費用がかかるのか、平均的な矯正費用についてお伝えしていきます。
矯正治療をする前には、
①レントゲンや歯型などの資料取りをする精密検査
②検査を元に立てた治療計画をご説明する診断
の流れになります。
検査・診断の費用は、20,000〜50,000円くらいになります。
医院によっては、検査料と診断料が別々の場合もあるので確認をしておきましょう。
矯正費用は高いイメージをもたれている方も多いのではないでしょうか?
小児矯正は1期治療と2期治療の二段階に分かれており、それぞれ金額を設定している医院が多いです。それぞれの費用についてみていきましょう。
1期治療の費用は、200,000〜500,000円くらいになります。
1期治療は、子供の成長を利用し顎を拡げるなどの顎のバランスや咬み合わせを改善していく矯正治療になります。子供の成長に合わせて、治療途中で矯正装置を作り変えることもあるでしょう。支払いのパターンとしては、装置ごとに追加で支払うか最初の矯正代に全て含まれているかの2パターンです。
どちらにしても、トータルの費用の相場は変わらないでしょう。
2期治療は、永久歯が生えそろってからの矯正治療になります。
1期治療をしてからの2期治療の場合は400,000〜600,000円くらいで、2期治療からの場合は800,000〜1,100,000円くらいになります。矯正治療の費用は、トータルで1,000,000円くらいが1つの目安となるでしょう。
・表側のワイヤー矯正
・裏側のワイヤー矯正
・マウスピース矯正
など矯正装置にもいくつか種類があります。矯正装置によっても費用が変わっていきますので、しっかり確認しておきましょう。
「矯正費用は、矯正装置代だけ?」と思われている方もいらっしゃいますが、矯正治療をした後には、後戻り防止のために「保定装置」を入れておくことが多いです。
また、矯正治療が終わった後に保定装置の確認や歯並びの状態の確認などで数か月に1回通院が必要になることがあります。
この保定装置代や保定観察料は、最初の矯正費用に含まれている医院もあれば、別途費用がかかる医院もあります。医院に確認しておきましょう。
1期治療後に保定装置を入れておくかは、歯並びや2期治療をするかどうかによって変わってきます。
1期治療のみの場合は、後戻りや歯の萌出によって歯が動くのを防ぐために保定装置を入れることがほとんどです。2期治療への移行になる場合には、1期治療終了後に保定装置を入れないことも多いです。
保定観察とは、矯正治療が終った後に定期的に歯医者に来院し、経過観察を行うことです。矯正治療後の歯並びの後戻りをしていないかの確認や虫歯のチェック・虫歯予防・歯磨き指導なども行っていきます。少しでも歯やお口に興味をもち自己管理していけるように歯医者で指導を行っていきます。
1期治療後は、歯の交換期の場合もあり歯の生え方の確認も行いつつ、2期治療への移行のタイミングになるまで観察をしていきます。
2期治療の保定装置は必ず行うことが多いです。2期治療は次の治療へ移行することもないですし、後戻りの可能性が高いため矯正治療終了後には保定装置をすることになります。
保定装置にはいくつか種類があり、保定装置は患者さんに合わせて選択していきます。前歯の裏側にワイヤーをつけ、夜は取り外しの装置を使うなどのように必要に応じて保定装置を2種類使うこともあります。
保定装置をサボっていると保定装置がハマらなくなったり、後戻りを起こしたりします。歯科医院で指導された通り、使用方法や使用時間を守って使っていきましょう。
矯正治療終了後にも数か月に1回来院し保定観察を行っていきます。
2期治療後は、親知らずの萌出によって歯が動くこともあるため、親知らずの確認や萌出状況もみていきます。他にも、むし歯チェックや歯周病チェックも行い、お口全体の管理をしていきます。
矯正が終わったから歯医者に行かなくていいという訳ではございません。矯正が終わった後も後戻りをしていないか、その他のお口の状態の観察やお口全体の管理を行っていきます。
ご自身だけでなく、プロも一緒になってお口の管理をしていくことで健康な歯を保つことができます。
矯正費用だけで矯正治療をする医院を決めるわけではないですが、矯正を始めるうえでの1つの選択肢になると思います。1つの医院で即決せず、2〜3件の歯科医院に行き比べてみてから歯科医院を決めるのも良いかもしれません。
矯正相談やカウンセリングの際に聞いておきましょう。
小児矯正は基本「自費治療」になります。しかし、条件に該当する方は「保険適用」で矯正治療を受けることができます。
お口の中に異常がみられる先天性疾患の方(指定された59の疾患の方)
前歯や小臼歯の永久歯のうち3歯以上が生えてこず埋まっており、埋伏開窓術を必要とする場合
顎変形症と診断された方(骨切り手術を必要とする方)
など、条件に当てはまる方は保険適用で矯正治療を受けることができます。
この保険適用の矯正治療を受けられる歯科医院は決まっており「厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長に届け出た保険医療機関のみ」となっております。保険適用の矯正治療は、指定の歯科医・歯科医院でのみ受けることができますので、事前にホームページなどで確認をしておきましょう。
小児矯正は不正咬合の「治療目的」で行う場合が多く、医療費控除の対象になります。しかし「審美目的」ですと医療費控除は対象外になりますので要注意です。
見た目が気になって矯正治療を始める方でも不正咬合などの診断がつく場合がございます。その場合は「治療目的」の矯正治療になります。咬み合わせなどの状況によりますので、矯正を始める前に歯科医師に確認をしてみましょう。
矯正費用は高額になりますので、「矯正費用を分割して払いたい」とお考えの方も多いと思います。
カードの分割払いやローン払いはできる医院が多いとは思いますが、医院によって支払方法が限られていることもあります。また、カードの分割払いはご自身のカードによって上限やできる分割回数が違います。事前に確認をしておくことをおすすめします。
小児矯正でも1期治療は子供の成長を利用し、顎のバランスや咬み合わせを改善していく治療になります。年齢や成長によって始める時期は変わってきますが、子供のうちにしかできない治療です。1期治療だけで矯正治療を終えられることもあり、矯正費用も安く抑えることができます。
幸田歯科医院では、患者さんに合わせて治療方針や矯正装置についてご提案させていただきます。また、小児矯正の無料相談もやっておりますので、矯正費用や支払方法についても矯正相談時にご相談いただければと思います。ぜひ一度ご来院ください。
2022/09/21
「医療費控除」って言葉は聞いたことはあるけど、よく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
医療費控除とは、1年間で支払ったご自身や家族などの医療費が10万円を超えた場合に一定の所得控除を受けることができる制度です。
この制度を利用することで節税ができ、確定申告後に還付金(払いすぎた税金)が返ってきます。
医療費控除の適用要件は、
①納税者だけでなく、生計を一にする配偶者や親族にために支払った医療費が対象(一緒に住んでいないが、仕送りをしている家族や親戚の医療費も含まれます)
②1年間(1/1~12/31)の間に支払った医療費であること(未払いの医療費は含めず、支払済み医療費のみになります)
③医療費が10万円もしくは総所得の5%を超えた場合
この3つに当てはまる場合に申告すると医療費控除を受けることができます。
所得控除とは、所得の合計金額から一定の金額を差し引き、課税対象となる所得金額を減らせる制度です。
所得税は、所得金額が多いほど支払う金額が上がります。課税対象となる所得金額を減らすことで税金を減らしていくというものが所得控除になります。医療費控除以外にもさまざまなものがあり、ふるさと納税の「寄附金控除」も所得控除の1つです。
矯正治療が医療費控除の対象になるのか考えるときに「医療目的」なのか「審美目的」なのかが重要になってきます。
「医療目的」とは、身体の構造や機能的改善においての治療のことを指します。
「審美目的」とは、見た目の改善においての治療になります。
矯正=審美目的(見た目)というイメージが強いですが、小児矯正は医療費控除の対象になるのでしょうか?
ほとんどの場合、小児矯正の医療費は医療費控除の対象となります。小児矯正は、不正咬合のように咬み合わせに問題があり矯正を始めることが多いです。
患者さんが見た目を気にして「審美目的」で矯正を始めたとしても、咬み合わせなど機能的な問題も多く「医療目的」と診断され医療費控除の対象となることが多いです。
医療費控除の対象になるのか分からない方は、歯科医師に聞いてみましょう。
歯科医師が「子どもの成長に悪影響を及ぼすので矯正治療が必要である」と診断した場合、医療費控除を受けることができるとされています。見た目の改善よりも「咬み合わせの改善」をしていく治療になります。
・しっかり噛めない
・はっきり発音ができない
・顎の関節に異常がある
など、歯並びの悪さや顎の位置やバランスの悪さにより何らかの悪影響が出ている状況での矯正治療ですと、医療費控除の対象となることが多いです。
しかし、税務署によっては「診断書」の提出が必要な場合もあります。診断書は、病院にもよりますが、数千円の料金が発生してきます。必要かどうか、事前に税務署に相談しておきましょう。
医療費といってもどこまでが対象になるのか分からないという方も多いと思います。医療費の金額によって還付金の金額も変わってきます。
医療費控除の対象になるのかしっかりみていきましょう。
・矯正の精密検査代
・診断料
・矯正の装置代や調整料
・薬代(処方箋・痛み止めなど矯正治療で必要な市販薬購入費用)
・交通費(公共交通機関)
※付き添いの方の交通費も含まれます
・自家用車での通院時のガソリン代や駐車代
・タクシー代(公共交通機関が使えない場合を除く)
・歯ブラシなどの予防ケアグッズ
矯正治療の金額は高額になる場合が多く、デンタルローンやクレジットカードの分割払いを利用する方もいらっしゃいます。この場合でも、医療費控除の対象となります。
デンタルローンやクレジットカードの契約書や領収書などの明細はきちんと保管をしておくようにしましょう。
デンタルローンやクレジットカードの支払いでも医療費控除の対象になるのですが、気をつけておくことがあります。
・金利手数料は、医療費控除に含まれません
・矯正代などの治療費のみが対象になりますので、申請する際に間違えないようにしましょう。
・ローンが成立した年の医療費控除を申請することができます
・年をまたぐと医療費控除の申請する年が変わってきます。金額によって控除額も変わりますので、気をつけておきましょう。
「医療費控除でどのくらいお金が返ってくるの?」と思っている方も多いと思います。
医療費控除は、年末調整や確定申告をした際に払いすぎた税金を返してもらえる還付金として戻ってきます。
実際に支払った医療費や所得税率によって還付金の金額は変わってきます。どのような方法で計算していくのか順に説明していきます。
まずは、1年間(1/1~12/31)の医療費を領収書など明細書を確認しながらまとめていきます。
生計が同じであれば、家族などの医療費も含まれます。医療費控除の対象になる医療費なのか確認をしつつ、計算をしていきます。
※交通費は、領収書がなくても大丈夫ですが、家計簿などに記載し管理をしておきましょう。
医療費の総額が出たら、医療費控除額を求めていきます。
(医療費の総額)-(①)-(10万円もしくは所得総額の5%の金額のどちらか少ない金額)=医療費控除額 になります。
①…療養費や出産一時金・医療保険金などの補てん分の金額
還付金の算出をするために、所得税率を知る必要があります。
所得税率を求めるには、課税所得金額を出さなければなりません。課税所得とは、所得税がかかる金額のことになります。
(給与収入)-(給与所得控除+所得控除)=課税所得 となります。
ご自身の課税所得を知り、所得税率の確認をしていきましょう。
課税所得額 | 税率 | 控除額 |
~195万未満 | 5% | 0円 |
195万円~330万円未満 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円未満 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円未満 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円未満 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
※課税所得金額は、1,000円未満の端数は切り捨てとなります。
最後にどのくらい還付金としてお金が返ってくるのか計算していきます。
(医療費控除額)×(所得税率)=還付金 となります。この還付金が確定申告をすることで返ってくるお金になります。
課税所得額が300万円で、小児矯正代などの医療費が65万円かかった場合の計算をしてみます。
[医療費控除額]
65万円(医療費)-10万円=55万円
[還付額]
課税所得が300万円ですので、税率が10%になります。
55万円(医療費控除額)×10%(所得税率)=55,000円 が還付金として返ってきます。
医療費控除を受けるには「医療費控除の明細書」の添付が必要となります。領収書の提出ではできませんので、お気を付けください。(医療費控除の明細書は、国税庁のホームページからも印刷できます)
※医療費控除申請時点での治療代などの領収書の提出はないのですが、税務署からの提出を求められる場合もあります。5年間は自宅で保管をしておきましょう。
医療費控除の方法は、確定申告で行います。確定申告は、毎年2/16~3/15までの1か月とされていますので、その期間に確定申告ができるよう準備をしておきましょう。
確定申告書に医療費控除の明細書を添付し、税務署に提出する方法があります。その他、確定申告に必要な書類(源泉徴収票など)の添付も忘れずに行いましょう。
電子申告(e-Tax)での方法は、ご自宅のパソコンなどで国税庁のホームページから確定申告書を作成、送信することができます。申告期間中であればいつでも利用できます。曜日や時間など気にせず提出できるため、税務署にいけない方でも確定申告を行うことができます。医療費控除の明細書などの計算も自動でしてくれますので、大変便利です。
小児矯正は「医療目的」で矯正を始めることがほとんどのため、医療費控除の対象になります。必要書類などの確認をしておき、領収書などは大事に保管をしておきましょう。
しかし、場合によっては「診断書」が必要だったり「医療目的」でも医療費控除の対象にならなかったりします。医療費控除の対象になるのか不安な方は、税務署に問い合わせてみると確かでしょう。
矯正治療は、自費治療でお金がかかります。「矯正の金額が…」と矯正を始めるのを悩まれている方は、どのくらい医療費控除されるのかを一度調べてみるとよいでしょう。
医療費控除を利用することで、少しでも自己負担を減らし矯正を始めていただけます。医療費控除の対象になる方は、ぜひ利用して節税していきましょう。