【小児矯正】RAMPA矯正(ランパ)とは?適応年齢・治療方法・期間・リスクを解説

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【小児矯正】RAMPA矯正(ランパ)とは?適応年齢・治療方法・期間・リスクを解説

RAMPA矯正って何?と思う方も多いのではないのでしょうか。あまり聞き馴染みのない矯正治療かと思います。

ここでは、「RAMPA矯正」について紹介いたしますので、矯正治療の選択肢の1つとして参考にして頂けると幸いです。

RAMPA矯正(ランパ)とは?適応年齢は何歳から何歳まで?

 
RAMPA矯正とは、

・骨格的にアプローチしていき、顎の骨(中顔面)を正しい方向に成長を促していく
・気道を確保し呼吸をしっかりできるようにする

この2つを目的とした矯正治療です。

中顔面の発育不全や骨格のズレがあることで、舌の位置が悪くなり気道を圧迫してしまいます。これによりしっかりと酸素を取り込むことができず集中力の低下や睡眠が浅くなるなどの症状が起こりやすくなります。

お子さんの健康的な成長に必要な正しい呼吸や睡眠の質の高めるためにも、根本的原因である中顔面(ちゅうがんめん)の発育不全や骨格的なズレを改善していくことが大切です。

RAMPA矯正は歯並びを整えていく矯正治療ではありませんが、中顔面の発育不全や骨格的なズレを改善していくことで、結果として歯並びや顔貌を良くすることができます。

小児矯正でも顎を拡げる治療はありますが、歯並びをキレイにする目的で治療を行います。小児矯正とRAMPA矯正では、治療目的(改善したいこと)が変わってきますので、よく理解をしておきましょう。

RAMPA矯正の適応年齢は「4〜8歳」がベストとされています。健康的な成長の妨げとなる原因を早く取り除いてあげることで、お子さんの成長をサポートしていくことができます。また、成長時期に合わせて矯正治療を行っていくことで、スムーズに治療を進めていくことができます。

大人の方でもできますが、12〜13歳くらいまでのお子さんに対して行うことの多い治療方法になります。

いくら早く治療を開始したいからといってもRAMPA矯正で使用する口腔外装置をしっかり使用できなければなりません。

お子さんの協力や親御さんのサポートが必要となってきますので、しっかりと話し合ってからRAMPA矯正治療を開始しましょう。

RAMPA矯正(ランパ)で改善が期待できる症状

 
RAMPA矯正は、上顎骨のズレやゆがみなど発育不全による受け口やガミースマイル(笑ったときに歯ぐきが目立つかみ合わせ)の治療に有効的です。

また、RAMPA矯正をすることで歯並びもキレイになっていきますが、顔貌もキレイになっていきます。横顔の改善は患者さんにも分かりやすい変化になると思います。

中顔面の発育不全がある方は、上顎(お口の中のスペース)が小さくなります。そのため、舌が正しい位置に収まるスペースがありません。舌が低位に落ち込んでいることで、気道を圧迫し呼吸がしにくい環境をつくることになります。

・口呼吸
・いびき
・姿勢
・集中できない(注意散漫)
・睡眠が浅い

などの症状も舌の位置や気道の圧迫が原因で起こる症状になります。中顔面の上前方方向への成長を促し改善することで、これらの症状も改善していくことができます。

あまり関係ないように思える症状も、RAMPA矯正治療をすることで改善することができます。何が原因になっているかを知り治療を行っていくことで、お子さんのより良い成長に繋がっていきます。

RAMPA矯正(ランパ)の治療方法

 
RAMPA矯正は、RAMPA矯正専用の口腔外装置と口腔内装置を使用して治療を行っていきます。

中顔面を上前方に引っ張るための口腔外の装置は、患者さんに合わせて装置を作製をしていきます。学校など外出時に使用することはなく、お家にいるときだけ使用してもらいます。
口腔外装置を1日12時間以上2〜3ヶ月の使用と口腔内装置での顎の拡大を行い治療を進めていきます

口腔外に大きな装置を装着しますので、個人差はありますが装着時の違和感・不快感は出てきやすくはなります。「寝にくい」「喋りにくい」と言われることもありますが、使用し続けていただければ装着したまま生活にも慣れてくることがほとんどです。

RAMPA矯正(ランパ)の治療期間

 
治療期間は、3〜4年くらいを目安にしてください。ただし、顎骨の矯正治療になりますので、お子さんの成長が終わる15〜16歳くらいまで経過をみていくようになります。

治療開始年齢やお子さんの成長具合によって矯正期間は変わってきますので、参考までにお考えください。

小児矯正と比べると治療期間は長くなりますが、アプローチしている部分や目的が違うためご理解いただきたいです。

RAMPA矯正(ランパ)のリスク

 
RAMPA矯正では、口腔外にくる装置が大きめになります。お子さんが1人で着脱できない・装置装着を嫌がるなどの問題が出てきます。また、矯正治療による痛みや違和感も出てきます。

矯正装置を使えなければ、治療がスムーズに進まず治療期間が長くなってしまいます。

「慣れてくれば、意外と大丈夫」「心配するほどではなかった」など患者さんによって感じ方もさまざまです。お子さんのやる気や協力を促し・寄り添い、親御さんしっかりサポートをしていただきたいと思います。

まとめ

 
RAMPA矯正は、中顔面の発育不全や骨格のズレに対してアプローチをしていくことで、舌の位置や気道の確保をしていき「呼吸」の改善をしていく治療方法になります。

歯並びを治す矯正治療を目的としていませんが、正しい成長発育を促すことで自然と歯並びや顔貌も良くなってきます。

鼻炎やいびきなど矯正治療とは関係なさそうな症状も舌の位置や呼吸が原因になっていることがあります。RAMPA矯正をすることでそのような症状も改善していくことができ、お子さんの健康的な成長を促し、守っていくことができます。

RAMPA矯正を含め、矯正治療にはさまざまな種類や方法があります。何が原因なのかを知り根本的な解決ができるように治療を選んでいきましょう。